マツダのお家芸であるロータリーエンジン。RX-7やRX-8でおなじみのエンジンであり、最近の若い方の中にはRX-7が初搭載されたと思っている方も多いのではないでしょうか。実は世界初の量産ロータリーエンジンの搭載車はコスモスポーツという車両で、1967年から1972年に発売されました。当時の平均年収は約62万円程度だったそうですが、コスモスポーツの標準価格は148万円。平均年収の倍以上もする超高級車でした。この時すでに100馬力を超える高出力エンジンであり、じゃじゃ馬な俊足ぶりだったようです。コスモスポーツの後にはファミリア、ルーチェ、カペラ、サバンナとロータリーエンジンが搭載されたラインナップが続きます。1971年にサバンナが発売されましたが、この時国内レースで常勝だった日産スカイラインGT-Rを破り、スポーツカーエンジンの存在感を高めました。
1970年代は排ガス規制が厳しくなり後期では国内の本格派スポーツカーが絶滅しかけましたが、1978年にロータリーエンジンを搭載したサバンナRX-7(初代RX-7)が登場しました。
その後1985年に2代目サバンナRX-7が登場、この時は国内仕様はターボ付きを用意し、国内外のメーカーがFRスポーツのお手本にするようになりました。
そして1991年RX-7が登場します。6月にはフランスで行われるルマン24時間耐久レースで日本車初となる総合優勝の快挙を成し遂げました。
さらに2003年RX-8が登場。RX-7の低重心と理想的な前後重量バランスに使い勝手の良さを加味してファミリーカーとしての使用にも耐えるスポーツカーとして人気を博しましたが、2012年に生産終了しています。
実は長い歴史を持つロータリーエンジンですが、2012年を最後に搭載された車両は発売されていません。しかし、2015年にマツダが発表した「RX-VISION」がどうやらRX-9のコンセプトカーであり、開発も終盤に差し掛かっているとのうわさがあります。
そこで今回は10年以上の空白期間を開け、満を持して登場するであろうロータリスポーツ「RX-9」についての情報をまとめていきたいと思います。
年月 | トヨタ | 日産 | ホンダ | マツダ | スバル | 三菱 | スズキ | ダイハツ |
2021年 | ||||||||
12月 | ノア ヴォクシー | アルト | 新 ラガー | |||||
2022年 | ||||||||
春頃 | フェアレディZ セレナ |
ステップワゴン | マツダ6 | WRX STI | アウトランダーPHEV | アルトワークス | ||
夏頃 | シエンタ | CX-3 | ||||||
秋頃 | エルグランド | フリード | CX-5 | |||||
冬頃 | HR-V | RX-9 | スバルXV インプレッサ |
エクステリアはどのような形に?コンセプトカーをもとに考察
前述の通り、RX-9は2015年に発表されたコンセプトカー「RX-VISION」をもとに開発が進められているようです。そのため、RX-9のエクステリアはRX-VISIONに近しいものになると考えられます。コンセプトカーのデザインより、どのような特徴があるのかを見ていきたいと思います。
RX-VISIONは、マツダのブランドデザインになっている「魂動」を採用した上位スポーツカーとして製作され、スポーツカーの正統を感じさせるデザインとなっています。サイズが小さいロータリーエンジンを搭載し圧倒的に低いボンネットと全高を実現することで一目でスポーツカーとわかるパッケージにしています。さらに、より優雅なスタイルとするためにロングノーズにしています。
キャラクターラインなどに頼ることなく、リフレクションによって「魂動(こどう)デザイン」が追求し続けている「動き」を表現し、エレガントかつ生命感あふれる造形を実現しています。
インテリアは?2シーターに変更か
インテリアについても同様にRX-VISIONの踏襲が考えられます。
RX-9はRX-7やRX-8といった前モデルと違い、2シータースポーツカーとなることが決定されているようです。シンプルさと力強さを極限まで追求するとともに、職人が手づくりで仕上げた風合いと、精緻なマシン表現を融合させたデザインとなっています。精緻な計器類を配し、マシンらしさを追求したコクピット、シンプルな形状のインストルメントパネル、本革仕立ての馬の鞍をモチーフとしたセンタートンネル部を覆うトリムにより、緊張感がありながらも、手づくりによる温かみを感じる上質な空間をつくり上げています。
ブランドの大きなセールスポイントになっている走りの楽しさが追求される形となり、コンセプトではナビやステアリングスイッチなどの描写はありませんが、実際にはこの辺りの装備は搭載されてくることが予想されます。しかし、あくまでも走りの楽しさを追求した車であり、圧倒的に豪華な装備は搭載されずインテリアの1枚目の画像と大きく変わらないインテリアになるのではないかと思います。
ボディサイズはRX-8よりも小型化に
続いてはボディサイズを見てみましょう。前モデルのRX-8と比較してみたいと思います。
<RX-9 予想ボディサイズ>
・全長 × 全幅 × 全高:4389mm × 1925mm × 1160mm
・ホイールベース:2700mm
<RX-8 ボディサイズ>
・全長 × 全幅 × 全高:4435mm × 1770mm × 1340mm
・ホイールベース:2700mm
RX-9のボディサイズは前モデルRX-8よりも全幅以外は小型化されるようです。小型化については2シーターへの変更が大きく作用していると考えられます。全幅が広くなることで乗車員の快適性をアップさせつつ、基本ボディサイズは小さくするがホイールベースが変更ないため軽快な走りになることが予想され、走りも快適さも両立する作りとなることがわかります。
エンジンはより高出力化されたロータリーエンジンを搭載
RX-8の後継車の位置づけであるRX-9は、やはりロータリーエンジン復活を希望する方が多いと思います。現時点では確かな情報はまだ出ていませんが、ロータリーエンジンが復活するとの見込みが大きいです。
搭載予定のエンジンは「SKYACTIVE-R」というロータリーエンジンになります。
排気量は800cc×2ローターの1600ccターボ。レシプロエンジンでは3200cc相当の排気量になります。
余談ですが、レシプロエンジン3200ccでの自動車税は年額57000円です。ロータリーエンジンでの自動車税は排気量1600ccにロータリー係数の1.5倍をかけて1600cc×1.5=2400ccで計算されます。2400ccの自動車税は年額43500円となり、3200cc相当の排気量を少しお得に乗ることができます。
前モデルのRX-8は排気量が1308cc、最高出力は215psでしたが、排気量が大幅アップされることもあり、RX-9では最高出力が400ps程度になるのではないかと予想されます。
ネットの一部ではハイブリッド化しレンジエクステンダーとしてロータリーエンジンを搭載されるとの予想が上がっておりますが、マツダのお家芸ロータリーエンジンの復活第一弾としてはピュアスポーツエンジンとなると予想しています。
まとめ
今回はロータリーエンジンの歴史を紹介しつつRX-9の新型情報をまとめてきました。
燃費が悪いといわれるロータリーエンジンですが、モータースポーツ界では一世を風靡したモンスターエンジンであることは間違いありません。昨今の車離れが進む中、ロータリーエンジンを搭載したRX-9が走る楽しさを伝え、車に興味を持つきっかけとなる一台となるのではないでしょうか。まだまだ正確な情報が少ないRX-9ですが、最新情報入り次第まとめていきたいと思います。