ホンダはシビックのフルモデルチェンジを行い、11代目となるモデルを2021年9月に発売しました。発売から1年経過する2022年9月にハイブリッドモデルである「e:HEV」を追加するようです。さらにe:HEVから少し遅れスポーティーモデルのTYPE Rの登場もうわさされています。そこで今回はシビック e:HEV、TYPE Rについてまとめていきたいと思います。
11代目シビックはどんなモデル?
本題のe:HEVモデルを見て行く前に、簡単に11代目シビックについておさらいをしていきたいと思います。
先代の10代目がグローバルヒットしたことで11代目シビックは基本はキープコンセプトとして登場したようです。10代目は5ドアハッチバック、4ドアセダン、5ドアハッチバックのTypeRの3モデルを投入し、往年のシビックのコンセプトである親しみやすく、かっこよく、走って楽しいを取り戻したモデルといわれておりました。しかし世界中でヒットした一方で、日本市場では売れ行きが伸びず、世代途中で4ドアセダンの販売が終了になるど苦戦を強いられました。そこで11代目の日本仕様では5ドアハッチバックのみを設定し、新たに「爽快」をグランドコンセプトとしました。
パワートレインは10代目を継承し、1.6リッター直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載し、3000-4000rpmの比較的低回転域でも小気味よい加速が味わえるようにチューンナップされました。
また、トランスミッションはCVTだけでなく6速MT仕様もラインナップに加えられており、走りを楽しみたい方へのニーズにも応えてくれる一台となっています。
そんな11代目シビックですが、e:HEVの情報とともに車両の詳細について詳しく見ていきたいと思います。
エクステリアは11代目から変化なし
まず気になるエクステリアから見ていきましょう。ハイブリッドモデルが追加されるからと言ってエクステリアについては大きな変更はないと見られています。
前述の通り5ドアハッチバックのみの設定となり、新たなボディ形状はなさそうです。
ボディサイズについて詳しく見ていきたいと思います。
・全長 × 全幅 × 全高:4550mm × 1800mm × 1415mm
・ホイールベース:2735mm
ボディサイズは11代目と先代の10代目でほぼ同じだが、11代目は全長で30mm、ホイールベースで35mm大きく、全高で5mm低くなっています。
インテリアも変化はないと予想
続いてインテリアについて見ていきましょう。こちらもエクステリアと同様に大きな変化はないと予想されます。
メーターには「10.2インチインストルメントクラスター」を採用しセンターディスプレイには大画面の「9インチHonda CONNECTホンダディスプレイ」を採用することになるでしょう。テレマティクス関連では「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応し、スマホとリンクさせることで音楽を楽しむことが可能です。また、ホンダ車専用車載通信モジュール「Honda CONNECT」を搭載しているため、エアバック展開時に警察・救急への自動通報や保険店への自動連絡、アルソックへの駆けつけサービスを利用することができます。
ハイブリッドになりパワートレインはどのように変化!?
シビックハイブリッドには「e:HEV」の最新版が搭載されます。最新のe:HEVは、高出力のリチウムイオン電池とコンパクトで強力なふたつの電気モーターを、新開発の2リッターアトキンソンサイクルガソリンエンジンと組み合わせることでなんと41%の熱効率を達成するようです。
また、効率的な燃焼と大きなトルク出力を出すために最適化された直噴システムを採用するだけでなく、低温活性触媒や吸気ポートの設計変更など、さまざまな技術によって燃費を向上させながら高出力を実現しています。
ここで少しだけアトキンソンサイクルについて説明したいと思います。エンジンは通常、圧縮比と膨張比が同じですがアトキンソンサイクルエンジンは、圧縮比よりも膨張比を大きくしたエンジンです。吸気バルブを遅く閉じ、一度シリンダー内に吸い込んだ混合気の一部を吸気ポートに戻すことで、圧縮比よりも膨張比を大きくします。これにより、熱効率が向上し燃費がよくなります。ただ、せっかく吸った吸気を戻すことからアトキンソンサイクルエンジンは出力不足が課題となりますが、Hondaは、独自のVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)とVTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)を採用し、運転領域に応じた最適なバルブタイミング制御を実施することで、常用域では高圧縮比の利点を生かした高効率化と、高負荷領域での出力を両立し、低燃費かつスポーティーな走行を可能としています。
このアトキンソンサイクルエンジンの技術により燃費は21.27km/Lを達成しています。
またハイブリッドシステム全体として最高出力135kW、最大トルク315N・mを実現しています。
鈴鹿最速記録を更新!気になるTypeRのスペックは!?
ホンダは、鈴鹿サーキット国際レーシングコースで、新型シビック TYPE R(の最終的な性能評価のための走行テストを行い、FFモデルで最速となる、2分23秒120のラップタイムを記録したと報じました。
シビックTYPE Rは通常モデルと車格が多少異なります。前モデルのボディサイズは全長4560mm×全幅1875mm×全高1435mmだったのが新型では全長4580mm×全幅1875mm×全高1400mmとなると予想されています。
全長を伸ばし、全幅は変わらず全高を引き下げることによりワイド&ローのプロポーションがさらに際立つことになります。
また、パワートレインは全モデルと同じ2リッターDOHC VTEC直噴ターボエンジンが搭載されるとみられています。前モデルでは最高出力320psを発生させていましたが、鈴鹿サーキットにて最速タイムを叩き出したということもあり、350ps程度への大幅出力アップが施されているのではと予想しています。
また、トランスミッションは前モデル同様6速MTの設定のほかにパドルシフト6速ATの追加も噂されています。
タイヤサイズは245/30ZR20でしたが265/30ZR19へと変更されるようです。一般的にタイヤサイズが大きくなる(タイヤが太くなる)程、接地面が増え車両としては抵抗となるため燃費が悪化します。しかし、TYPE Rはスポーツカーである上にエンジン出力が向上したことで、燃費よりも接地面を稼ぐことによりトラクションを受け止めるメリットを重視したものと考えられます。
鈴鹿最速記録を更新!気になるTypeRのスペックは!?
ホンダ シビックのe:HEVとTYPE Rについてまとめてきました。シビックはハイブリッドによりエコロジー志向の方、TYPE Rによりスポーツ走行を楽しみたい方、そしてすでに発売されているノーマルモデルによりタウンユースにて車を使用したい方、どの層の方にもピッタリなラインナップが用意されている珍しい車種ではないでしょうか。
このようにどのユーザーにも対応できるラインナップを展開することができるのはプラットフォームを含めた基礎設計がしっかりできているからだと思います。
内外装ともに際立った豪華さはないものの、基礎設計がしっかりされている分、乗り心地や使い勝手は非常に良い一台であることは間違いないと思います。
発売時期が迫ってきましたが、詳細はまだまだ不明な点が多いため、情報が入り次第まとめていきたいと思います。